歴史の破片をかき集めても
綺麗な硝子は作れない
あなたの祈りを泪としても
隠した鎖はいつでも傍に
穢れた願いに耳を傾け
抉れた痛みの旋律響く
不協和音に安らぎ憶え
静かに静かに沈んでく
何も見ないで奏をかして
孵して産まれた美しい
吹き抜ける風は甘さに満ちて
笛は終わりと哀しみ告げる
逝くのは獣の白い骨
よろこびを知ることもなく
傷つけるための生命は
何も思わず遠い処へ
翼の付け根についた傷痕
舐めては憎しみ自分のもとに
集って儚い愛は囁く
鋏はいつも道具のままで
手首のささくれ記憶は外へ
破片の歴史を喉元に刺し
いつかは空へと遡る