隠し部屋

感情を抱えていたら詩になった

破片の歴史

歴史の破片をかき集めても
綺麗な硝子は作れない

あなたの祈りを泪としても
隠した鎖はいつでも傍に

穢れた願いに耳を傾け
抉れた痛みの旋律響く
不協和音に安らぎ憶え
静かに静かに沈んでく

何も見ないで奏をかして
孵して産まれた美しい
吹き抜ける風は甘さに満ちて
笛は終わりと哀しみ告げる

逝くのは獣の白い骨
よろこびを知ることもなく
傷つけるための生命は
何も思わず遠い処へ

翼の付け根についた傷痕
舐めては憎しみ自分のもとに
集って儚い愛は囁く
鋏はいつも道具のままで
手首のささくれ記憶は外へ

破片の歴史を喉元に刺し
いつかは空へと遡る