隠し部屋

感情を抱えていたら詩になった

十の月

白い胸をさらけ出して
嘘で固めた十の月

無知な声をいたぶって
夜に行進 十の年

月明り 幅を間違えて
躓いた 樹木の影
見つめない その横顔
話したくないもの

白い夜は色めき立って
耳を塞いだ十の年

月語り 星たちが見てる
結びつけて 花ふる里
私たちの背中がのびて
帰りたくないもの

長い年月がたった
半分を失って
悪い夢にいる

解らないのに
言葉が強すぎて
流されてしまう

その赤い眼で
世界を見て
この場所でまた

話そうよ
二人 三人で
引き裂かれることのない

赤い夢を見て
その掌に返る