隠し部屋

感情を抱えていたら詩になった

冷たい腕

冷たい腕がのびてきて
わたしの心臓を触る
握る
楽しそうに
もういっそ 潰して

霞の中の笑い声が
わたしの喉元に迫る
喘ぐ
愉しそうに
さよならを 言わせて

体の下から内側から
触手のように這い上がる
これは
悲しみか
忘れた爪 なのか

剥がれ落ちて夢
敗れ去って愛
葬った哀れみ
すべて括って

零れ落ちて さよなら
糸で縛って さよなら