隠し部屋

感情を抱えていたら詩になった

返り血

死の追いかけっこ
ほら食い潰し
返り血に染まるまで

耐えてごらん
その小さな躰を
無数の針で傷つけて

切れない手首
縋りつく衝動
狂いだすまで
あと何時間何分?

そんなことはない
弱々しく吐いた
言葉は虚しくも
空気に消えていく

守りたいものを
指折り数えて
箱舟に乗せよう
波に逆らって

知らなくていい
真っ白でいい
暗闇はもういい
白夜は明ける

突き破りそうな憎悪を
尖った感情を
鎖で巻く

逢いに行けるなんて
大嘘つきだね

とっくの昔に
綴じられたの

聖書も正義も
八つ裂きにして
灰になるまで燃やしたい

造られた愛には
心をゆるせない

抱くためだけに
存在していたいのに
復讐としての死を
夢見てしまう

孤独に立つと
殴りつける
わたしが見える

何もできないほど
無力ではないの

損なわれた想いは
拠り所を求めて

怯えながら彷徨い
幻想の夜に帰る

私は私ではないし
貴方はあなたにならない

要らない
要らない

要らないのよ