隠し部屋

感情を抱えていたら詩になった

小さな森の恋のうた

ヨモギを摘む
その繊細な指先の
奏でるハーモニーに
癒しを知ったから

楽しかった
ひとりぼっちの原っぱから
散歩に出かけたの

野いちごを摘みに
小道に出たそのとき
僕らは恋を知ったんだ

若葉の季節に
気まぐれな子リスが
わたしを
森へ連れ出したから

小鳥のさえずりに
孤独を知ったわたしは
森に家を作るの

はぜる焚き火の音と
暖かい赤に
僕らは見惚れていたんだ

愛しさの思い出を
作ったのは君なのか

弦のないギターの
奏でる音と
愛のない抱擁の
見せる明日に

やさしさの存在を
知らなかった
誰かに

ぼくらは恋をしたんだ