隠し部屋

感情を抱えていたら詩になった

硝子の器

朝は打ちつける焦りと
残滓と共にあって
釘で止めたい手に
外の声が流れてく

濁った意識と
憑かれたカラダに
歴史は絡まって
すべて注ぎこまれる

受け容れなければ
ガラスの器に
求めなければ
破片は刺さらず
夢見なければ
失くさなかった

吹き飛ばされないよう
抱えるのに疲れて
魂を売りとばす
わたしを
どうやって
赦すの?

ワタシガ ニゲレバ
ヨカッタジャナイ?

もう一人の声は
硬く冷たく響いて
大丈夫をやさしく
浸透させない

眠らなくてはならない
そんな夜は
時空が歪んでいる
出口なんてない

外の世界に向かう
幼い言葉は
寂しさを思わせて
自由が消えていく
そんな気配は
きっと勘違い

肌が崩れるの
何度繰り返すの?
肌は崩れない
だって
触られていない
触られたい
愉快な話だけじゃ
裂け目がみえない
でも
見つめない醜さ
目を閉じて笑うほど
甘い人になれない

迎えに来た音が
聞こえる

いつもの昼は
幻から実体へと
引き戻しては
足を縛りつける

暖かい陽の光で
寝転んで
もういいよ
解き放ちたい

まだ 縋りつく