隠し部屋

感情を抱えていたら詩になった

溺史

見えない約束で
雁字搦め
大切にするほどに
溺れていく

美しさは朽ちたのに
残滓に魅せられて
縋るように
心を開く

やがて邪な声が
静かに襲いくる

つながらない夜に
空が燃えて

信じていた世界
見返りの冷たさは
深く記憶されて
側にいられない

心の奥を

覗いてほしくなかった
無責任に
綺麗だったのかすら
今は解らないけど

嘲笑う声 冷たい視線に
興味をそそられた
揺れる瞳
わたしを喰い潰して

一人で耐えるのに
悶え苦しむけど
斑らの心に
救いはないから

伸ばそうとした腕を
空想で切りおとす

そんなことしか
ままならない
紡いだ歴史