隠し部屋

感情を抱えていたら詩になった

紫とオレンジ

覆い被さるような紫の雲が
オレンジと溶け合って
太陽が海に落ちた
孤独で深い夜が始まる

灯りが仄かに浮かばせる
街路樹は正体を隠して
ただの影として映る
造られた色には辟易

風には記憶が宿って
徐々に潜り込んでいく
枯れて散っていく季節は
忘れたものを呼び覚ます

汗ばんでいる背中は
永遠に扉にしまった
赤とオレンジと紫の
混ざりきった命の果てに

また今日も歩いている