隠し部屋

感情を抱えていたら詩になった

青と橙

流れていく空と森の
歌声に耳を傾けながら
冷たくなった風を浴びて
突き抜けるように
青を駆け抜け
あの町へ

陽はやわらかく町を
立ち向かう心のよわい
昼下がりの声をみても
雲は流れている
頬を染めて
橙に

空が沈んでいく
少しずつ薄くなり
青と橙が静かに
闇に溶けていく

やさしい想い出と
切なさが溶けあって
胸の奥が痛い
忘れたいのに

帰りたい場所
悲しくなんて
夏の朝に
滴りおちる水は
何処にも還らない

夜になって
見てしまうのが怖い
もう少し眺めさせて
青と橙の空