隠し部屋

感情を抱えていたら詩になった

憎むべき手脚

蹌踉いた脚を憎み
縺れた舌は切りおとす
身体は動かない
肉の記憶の果て

それぞれが意思を持ち
柔らかく蠢いて
私を操るから
視線は逸らしていて

鏡に映った
あなたの顔は
幻と影を呼びさまし
心に喰いこんで
見てはならないもの
差し出してしまう

あなたは悪くない
狂っているのは時計
針は空間も裂いて
善悪をかき混ぜる
青くなる肌は
夢を語ろうとして
言葉を失っていく
拙い骨の集い

絵はいつも空想の
道を飛んで歩いて
そこに在る表情を
歪ませて惑わせる

賢く考えようと
肉に刻み込むけど
温かさが気味悪くて
捨てたくなる私は
隔たりと
親しみを
共に抱えられない

容れ物は不完全
今すぐでも壊したい
わかるはずもない
それはお互いで
対になるものたちは
自由を忘れている

欲しいものは違う
あなたと私は違う
言葉の戯れが
明日を遮断して
憎むべき手脚が
わたしを歩かせる