隠し部屋

感情を抱えていたら詩になった

生贄

触れられた肌が熱をもつ
やさしさは溶ける
夢は泡となる
匙は投げられた

不自由な恋人たちは
囁きを続けて
見せつける光景に
何を思えばいい?

視界が揺らぎ わたしは口元に
気配だけを漂わせ
喚いては消えていく
生贄となった
小さなあの子は
私を見つめてる 助けて

撫でられた肌は崩れてく
あなたは気づかない
唇が乾いては
何かをなぞってる

偽りの恋人たちは
愛を語って
踏みつけた生贄は
どうすればいい?

背後から殴られて わたしはおもむろに
切り傷を思い出した
嘆くのはもう遅い
声を失った
小さなあの子が
微かに動いてる 助けて

深く眠っていた
小さなあの子が
わたしを狂わせる 気づいて

私は気づいてる
抱えきれないもの
嘘で括りつけたあの子は
最初から気づいてる

た す け て