隠し部屋

感情を抱えていたら詩になった

社会

廻る時計

皿を割る スパゲッティを作った記憶とともに 暮らしを裂いていく だって 嘘をついただって 幸せになると教室で並べられた 約束の明日は呆気ないほどに嘘だった 壁を剥がす 小さい頃に親しんだ暮らしを切りつけて 戯れに生きる だって バカみたい居場所も見え…

愛想笑い

沈みこむよ 歌なんて消えた愛想笑い 欲望だって冷えた 日陰でずっと考えてみたって自由の存在を知っていたって日向で大きな声を出すあの人に負けるだけ だからせめて口を閉じてよ喉を詰まらせて昨日の愛を探してよもう此処には何もないわ連れ去ってしまった…

星粒と雨

星粒と雨が降っている道路を照らして私たちを見下ろして雨粒と星が降っている はね返る水溜りはまるで未来のよう止まない雨はない?そう信じられなくて 意識のあるうちは永遠の長雨だってあるよね 星屑と夜が降ってくる純情をわらって私たちを蹴落として夜霧…

小さいスプーン

小さいスプーンでこの世界をかき混ぜよう 小さい町を私ではないものを見る目を撃ち墜とそう 不可思議な夢を いつの間に高い場所でいつの間にわたしの上に使えもしない正論傍観者は言わないで溺れる人を見て手を叩く それでもありがとうを口にする夜が壊れて…

赤く晴れた空

赤く晴れた空は急ぎすぎていた通り過ぎていった人たちの祈り 青く曇る顔は焦りすぎていた世界が終わると聴いてしまったから 忘れ物を探す通行人は下ばかりを見て上に従う 少しずつ足が離れる眩暈にやられて品のない声なのに歓迎する 浴びて欲望を捨てて大志…

夜景

あなたの後ろに山高帽わたしの後ろにハイヒール 交わしたグラスの中は空 外を眺めて綺麗な星と夜景を見つけて舌つづみ約束と知を積み上げて誤魔化してきた始めの理由 見つめてない顔 声 仕草お互いに そう生きている すべてに色と形がついて失われていく 街…

邪魔

ねえバカにしてよ ちゃんと捕まえることも出来ないならそこに一人で立っていてよ歩く時の邪魔だから そう言ってないよね きちんと重心をかけることも出来ないなら黙って一人で遊んでてよ声をかけられても困るから 黙って一人で遊んでてよ大好きな自分と永遠…

向かい合う 影と巡り会う半身の記憶が混ざっていく 光刺す 影に人がいる離れてしまえばよかったのに 仮初めの誓い 無邪気な声で未来を見たのだろうそうやってつくられた 惹かれ合う 筋書きのようどちらかはきっと壊れていく 釘をさす 今も向かい合うそろそろ…

暴力の指

遍く世界に存在している首を絞めようとする指見えない手でわたしたちを縛りつけようとする者 背後に立っていても声を出したらダメ凛とした視線を遠くへ弱さもすべて込みで 髪を切りましょう服も裂いて血飛沫が見えたって気にしないねじ伏せられるわけにいか…

檻の中

平気なフリをしてずっと笑ってたの嘘も続ければ真実になるかもなんてお行儀のいい獲物として生きたの朝に餌になるかもしれないから 檻に入れられる人を眺めていた自ら閉じ込められる人も眺めていた声色はやさしいのだけど何かおかしいの夜になってもあまりに…

嘘つき

もう二度と 奪われたくない 心惹かれてたんだ 本当さ傷つけるつもりなんてないアイシテルと 言えないけど大切に想っている どうして泣くの今日も一人で夢を見てるんだね此処においでよ 犇めく夜空の流れ星はこの天井の向こうで明日には掴めるはず甘い怠い 詠…

神様

寒くはないはずなんだ神様がそうやって言ったから愛に包まれて育ったの寒くはないはずなんだ 鳥肌が何故かたっているいつもわからない話ばかり誰かの心に染まってみたら鳥肌が何故かたっている 何となく少し怖いんだやさしい人の奥に光るもの救いと呼ばれた…

白い叫び

ゆるむ糸が絡まり頸を刺して注ぐ愛がある爪先までを力として果たせなかった夢がある 横たわる虚ろな眼差しは私を指さして乾いた空気は冷たく体温を告げる 触ること重なること二度と赦せない何も見たくない 誰の顔も歪んでいる後ろに声が聞こえる灰色のカーテ…

生贄

触れられた肌が熱をもつやさしさは溶ける夢は泡となる匙は投げられた 不自由な恋人たちは囁きを続けて見せつける光景に何を思えばいい? 視界が揺らぎ わたしは口元に気配だけを漂わせ喚いては消えていく生贄となった小さなあの子は私を見つめてる 助けて 撫…

狂う世界

体に溜まりわたしを蝕んでいる汚濁を解っている 強すぎる光はすべてを損傷させて擦り減らす営みに心を失くす善も悪も見つからず壁の中息だけが詰まっていく あなたは騙されているわたしは狂っている楽しそうに笑う声が夢を見せて世界が滅んでいく この世に留…