隠し部屋

感情を抱えていたら詩になった

檻の中

平気なフリをしてずっと笑ってたの
嘘も続ければ真実になるかもなんて
お行儀のいい獲物として生きたの
朝に餌になるかもしれないから

檻に入れられる人を眺めていた
自ら閉じ込められる人も眺めていた
声色はやさしいのだけど何かおかしいの
夜になってもあまりに静かだから

目隠しをされて此処に来ていた
視えないルールを呑み込む他にはなくて
愛せないものを愛そうとしたの
観ている人を騙そうとしていたら

知らないうちに手首を切られていて
喰うものたちと屍の山を見た
解放など在りえないと云われた
言葉にならない方が結末は重いの

誰かがこっそりと耳打ちをして
外の世界を描いてくれたなら救われた
愛憎が注ぎ込まれた躰は操れない
今さら語り合っても苦しいだけ

自由を夢見てもこの手は汚れていて
痛みすらわたしのものにならないよ
永久に囚われてしまう前に
泪が尖って壁を壊したらいい

臆病なまま鎖を離さなければ
もうすぐ破滅の火がやってくるよ