隠し部屋

感情を抱えていたら詩になった

暴力の指

遍く世界に存在している
首を絞めようとする指
見えない手でわたしたちを
縛りつけようとする者

背後に立っていても
声を出したらダメ
凛とした視線を遠くへ
弱さもすべて込みで

髪を切りましょう服も裂いて
血飛沫が見えたって気にしない
ねじ伏せられるわけにいかないわ
ここまで自分で辿り着いたのだもの

数多の町に存在している
行く手を阻もうとする指
ちがう言葉でわたしたちを
貶めようとする者

悪意がないと云っても
耳を貸したらダメ
凛とした愛は遠くの
守るべき人に捧げて

蹴りあげましょう踏み躙る足を
忘れたって嘘に騙されたりしない
死んで思い知らせてもいいけれど
哀れみに浸られたら殺したくなるもの

わたしたちは

求めましょう世界中に嘲られても
沈黙で絡めとられるわけにいかない
にっこり微笑んで心で舌出すの
まだまだ生きていれるはずだもの

亡きものへ弔いを捧ぐために
わたしたちは紐を切りましょう