隠し部屋

感情を抱えていたら詩になった

2018-12-01から1ヶ月間の記事一覧

白い叫び

ゆるむ糸が絡まり頸を刺して注ぐ愛がある爪先までを力として果たせなかった夢がある 横たわる虚ろな眼差しは私を指さして乾いた空気は冷たく体温を告げる 触ること重なること二度と赦せない何も見たくない 誰の顔も歪んでいる後ろに声が聞こえる灰色のカーテ…

硝子の器

朝は打ちつける焦りと残滓と共にあって釘で止めたい手に外の声が流れてく 濁った意識と憑かれたカラダに歴史は絡まってすべて注ぎこまれる 受け容れなければガラスの器に求めなければ破片は刺さらず夢見なければ失くさなかった 吹き飛ばされないよう抱えるの…

残像

頰をなぞる生温かい手は分厚くて少し汚く見えた 無抵抗に座り込んだうまく思い出すことの出来ない夜とコール音が見えない場所で弛まず心臓を束縛している 脚が重かったから触られた痛みだとしても輪郭がやさしく見えて悲しみを呑んで今も吐き出せない小さな…

水溜まり

水溜まりに映る顔はわたしに見えなくて太い指が近付いて首元を掴んだ 朦朧とした景色で呼吸を失っているうちに流れはすべて穢れて想い出した日々にはもう誰も残っていない 薄れた意識にはあの人が優しく見えた形があれば何でもよかった海の向こうの声は正し…

冷たい腕

冷たい腕がのびてきてわたしの心臓を触る握る楽しそうにもういっそ 潰して 霞の中の笑い声がわたしの喉元に迫る喘ぐ愉しそうにさよならを 言わせて 体の下から内側から触手のように這い上がるこれは悲しみか忘れた爪 なのか 剥がれ落ちて夢敗れ去って愛葬っ…

青い肌

あなたに近づく度に肌の青さを知る 終わらない旅に帰る場所は冷たくて頬をつたうものは思い出と消えて わたしは震える度に切り捨てた肌を知る まとまらない束傷を抉るあの人の笑い声をかき混ぜた戻れない場所 もう何も要らない 許して 赦さないから 許して。

生贄

触れられた肌が熱をもつやさしさは溶ける夢は泡となる匙は投げられた 不自由な恋人たちは囁きを続けて見せつける光景に何を思えばいい? 視界が揺らぎ わたしは口元に気配だけを漂わせ喚いては消えていく生贄となった小さなあの子は私を見つめてる 助けて 撫…

狂う世界

体に溜まりわたしを蝕んでいる汚濁を解っている 強すぎる光はすべてを損傷させて擦り減らす営みに心を失くす善も悪も見つからず壁の中息だけが詰まっていく あなたは騙されているわたしは狂っている楽しそうに笑う声が夢を見せて世界が滅んでいく この世に留…

小鳥

風が草木を揺らして背中を丸める烏が静かに話しては耳を立てる 飛び立ちに歌声を晒して何も結び目をもたず切ったその時にすべてを知る 少し冷えてきた季節小鳥たちは眠る月夜に零れる世界を見ている

雨音の殺戮

屋根を突き刺す雨粒の音降り注いで わたしを殺す叩きつけてるガラスの瓶と少し残した 思い出がわたしを殺す わたしを殺す 雨音と共に水に溶け出すようにそれで全てだから濁る前に早く殺してわたしを殺して 首を絞めて 首を絞める夢にならないなら死ぬしかな…

破片の歴史

歴史の破片をかき集めても綺麗な硝子は作れない あなたの祈りを泪としても隠した鎖はいつでも傍に 穢れた願いに耳を傾け抉れた痛みの旋律響く不協和音に安らぎ憶え静かに静かに沈んでく 何も見ないで奏をかして孵して産まれた美しい吹き抜ける風は甘さに満ち…

小さな森の恋のうた

ヨモギを摘むその繊細な指先の奏でるハーモニーに癒しを知ったから 楽しかったひとりぼっちの原っぱから散歩に出かけたの 野いちごを摘みに小道に出たそのとき僕らは恋を知ったんだ 若葉の季節に気まぐれな子リスがわたしを森へ連れ出したから 小鳥のさえず…

おやすみ

おやすみ おやすみ また明日おやすみ おやすみ また遊ぼう 昨日までの嫌なこと 夢においてきておやすみ おやすみ また遊ぼう 好きだよ 好きだよ 今日だけは好きだよ 好きだよ 手をつなごう 明日からの嫌なこと 夢においてきて好きだよ 好きだよ 手をつなごう…